
重要文化財
前九年合戦絵巻断簡 帰順願図
ぜんくねんかっせんえまきだんかん きじゅんねがいず
紙本著色/一幅 鎌倉時代・14世紀
縦35.4cm 横61.6cm 五島美術館蔵
平安時代中期、永承六年(1051)から康平五年(1062)まで、陸奥国(岩手県)に起こった戦乱で、鎮守府将軍源頼義(よりよし 988〜1075)が安倍氏を滅ぼした「前九年の役」を題材に描いた軍記絵巻の断簡。詞書三段・絵七段からなる一巻(重要文化財 千葉・国立歴史民俗博物館蔵)が現存し、本図に対応する詞書はその一巻に残る。安倍頼時の娘婿である藤原経清(つねきよ ?〜1062)、平永衡(ながひら ?〜1056頃)の2人が、舅に背いて源頼義に従っていたが、家臣が両者の帰順(反逆の心を改めて服従する)は策略であろうと将軍に忠告している場面か。垣根の陰の二人が経清と永衡。