
鴨図 伝 徽宗皇帝筆
かもず でん きそうこうていひつ
絹本著色/一幅 南宋時代・13世紀
縦37.8cm 横25.7cm 五島美術館蔵
後方をふり返り、羽繕いをする雄鴨の様子を描く。筆者と伝える徽宗(1082〜1135)は、中国北宋時代末期の第8代皇帝。政治よりも芸術の世界を好み、その創作と鑑賞に優れた才能を示した。本図は、徽宗の画風を受け継ぐ「院体画」(いんたいが 中国の宮廷画家組織「画院」の絵画)の発展した描法を示す。もと東山御物(ひがいしやまごもつ 室町幕府足利将軍家の美術品コレクション)。堺の商人津田宗及(そうぎゅう ?〜1591)の『天王寺屋会記』永禄十二年(1569)、博多屋宗寿の茶会における記事は、本図にあたるという説もある。