下絵古今集切 伝 藤原定頼筆
したえこきんしゅうぎれ でん ふじわらのさだよりひつ
紙本墨書/一幅 平安時代・12世紀
縦19.5cm 横12.6cm 五島美術館蔵
金銀泥によって下絵を描いた料紙に『古今和歌集』を書写していることからこの名がある。大ぶりでゆったりとした字形が特徴。類品が少なく、これまでに本品を含む八葉(巻第一・巻第十七・巻第二十)のみが確認されている(手鑑「野邊のみどり」所収 東京・前田育徳会蔵、鴻池家旧蔵「手鑑」所収 大東急記念文庫蔵ほか)。下絵だけでなく料紙いっぱいに金銀の揉箔を散らし、王朝貴族の美を尽くしている。