
重要美術品
東大寺切(三宝絵詞) 伝 源俊頼筆
とうだいじぎれ(さんぽうえことば) でん みなもとのとしよりひつ
紙本墨書/一幅 平安時代・保安元年(1120)
縦24.0cm 横15.4cm 五島美術館蔵
『三宝絵詞』は、永観二年(984)に源為憲(ためのり ?〜1011)が、若くして出家した冷泉天皇(950〜1011)の皇女のために編集した仏教説話集。仏教における「三宝」(仏・法・僧)をわかり易く三巻に分けて説く。本来は絵を添えたと考えられるが現存せず、詞書のみが伝わる。もとは粘葉装(でっちょうそう)。現存する写本のうち、保安元年(1120)の奥書を有する零本(中・下巻 一冊重要文化財 名古屋市博物館蔵)の断簡を「東大寺切」と呼ぶ。料紙は、白粉地に亀甲・花菱唐草・七宝の文様を雲母刷(きらず)りした和製唐紙(からかみ)。