重要文化財
熊野懐紙 後鳥羽天皇筆
くまのかいし ごとばてんのうひつ
紙本墨書/一幅 鎌倉時代・正治二年(1200)
縦31.5cm 横48.5cm 五島美術館蔵
「熊野懐紙」とは、後鳥羽天皇(1180〜1239)が廷臣らとともに和歌山の熊野三所権現を参詣する熊野詣の際、道中の宿泊地で催した歌会での和歌を懐紙に書いたものの総称。現存する「熊野懐紙」は、正治二年(1200)十二月と建仁元年(1201)十月の熊野詣のものが34枚。本懐紙は、後鳥羽天皇が残す5枚のうちの一つ。歌題「行路氷」「暮炭竈」から、正治二年十二月のものとわかる。