長次郎黒楽茶碗 銘 千声
ちょうじろうくろらくちゃわん めい せんせい
陶器/一口 桃山時代・16世紀
高8.3cm 口径11.0cm 底径5.5cm 重量352.5g 五島美術館蔵
楽家初代の長次郎(?~1589)の作と伝える黒釉の掛かった黒楽茶碗。轆轤(ろくろ)を使わない手捏ねにより成形し、腰に丸みの少ない角張った形をなす。口縁部は、緩やかな高低がついた山道風の変化を見せる。長次郎以来の楽家では、黒楽の釉薬の原料は、京都の賀茂川上流に産する自然石である加茂川石を用い、歴代によって釉調は異なる。小規模な窯を屋内に築き(内窯 うちがま)、焼成中に窯から引き出す技法(引き出し黒)を用いて黒色の釉色を得る。そのため、その際に使用した挟み跡が残る。銘は、表千家六代覚々斎宗左(かくかくさいそうさ 原叟 1678~1730)による。