
黄瀬戸平茶碗 銘 柳かげ
きせとひらちゃわん めい やなぎかげ
陶器/一口 桃山時代・16〜17世紀
高6.2cm 口径11.9-11.6cm 底径8.0-7.8cm 重317.6g 五島美術館蔵
「黄瀬戸」は、今の岐阜県東濃地方のやきものである美濃焼の一種。形は浅い筒形の小鉢で、もとは向付(むこうづけ 揃物の食器の一種)と考えられる。胴部には線描きで表した唐花文が2か所あり、見込みには桜花折枝文の型を押し、鉄釉と銅緑釉(胆礬 たんぱん)を点じる。底部には削り出しの高台があり、高台内部には焼成の際に乗せた台の痕が焦げたように残る。見込みには重ね焼きした時の目跡が3個見える。銘は、平安時代末期の歌人西行(さいぎょう 11189~90)の和歌「道のへの清水なかるゝやなき影しはしとてこそ立ちとまりけり」(内箱蓋裏書付)から。