
重要文化財
鼠志野茶碗 銘 峯紅葉
ねずみしのちゃわん めい みねのもみじ
陶器/一口 桃山時代・16〜17世紀
高8.9-7.6cm 口径14.0-13.5cm 底径6.1-5.9cm 重量487.4g 五島美術館蔵
「鼠志野」は美濃焼(岐阜県の陶器)の一種。器の内側と外側の腰部分までに、美濃で鉄絵に用いる鉄分を含んだ土石(鬼板 おにいた)と粘土、水を混ぜたもので表面に化粧掛けを施し、亀甲文と桧垣文様の部分を掻き落とし、志野釉を掛けたもの。白く鮮明にあらわれた文様と赤みがかった釉色が美しく、銘はその景色と山道のある口辺から付いたものであろう。伝世する「鼠志野」の茶碗は10碗ほどしかない。近代に入り、国宝「卯花墻」(うのはながき 志野茶碗 東京・三井記念美術館蔵)、重要文化財「山端」(やまのは 鼠志野茶碗 東京・根津美術館蔵)とともに桃山時代の志野焼を代表する茶碗とされる。