
光悦赤楽茶碗 銘 十王
こうえつあからくちゃわん めい じゅうおう
陶器/一口 江戸時代・17世紀
高9.8cm 口径10.5cm 底径4.9cm 重量408.4g 五島美術館蔵
刀剣の鑑定を家業とする京都の本阿弥家の別家に生まれた光悦(1558~1637)は、書と陶芸に優れ、漆工芸の作品創作にも関与したという。銘の「十王」は、地獄の閻魔のこと。内箱蓋裏には、表千家六代覚々斎宗左(かくかくさいそうさ 原叟 1678~1730)の書付がある。胎土は鉄分を多く含んだ赤土と思われ、厚く掛かった透明釉は、よく溶けて光沢がある。全体に丸みをおびた器形は、光悦の赤楽茶碗特有のもの。口縁部から胴部にかけての器壁は薄く、腰部には大胆な篦目(へらめ)が入り、底部は厚く輪高台(わこうだい)を削り出す。帝室技芸員で図案家の岸光景(こうけい 1839〜1922)の旧蔵品。