
芦屋真形霰地紋釜
あしやしんなりあられじもんかま
鉄器/一合 室町時代・15世紀
高18.0cm 口径15.2cm 胴径21.1cm 底径14.6cm 五島美術館蔵
遠賀川河口の筑前国(福岡県)芦屋の製品。肩に2本の筋と擂座(るいざ)がめぐるほかは、口の先まで全面霰地となる。霰の粒は大きく、頭が丸く整然として乱れがない。口造りは、肩からの立ち上がりが、外側に反った様子の繰口(くりぐち)。釜の両側に付く鐶付(かんつき)は鬼面。長く使用したため底が傷み、胴の下方を打ち欠いて新たに造った底をはめ込む。不規則な胴の裾をそのまま残した様子を尾垂(おだれ)という。蓋は後世のもの。千利休(1522~91)愛用の釜。後に姫路藩主酒井宗雅(そうが 1755~90)が所持した。