
重要文化財
中阿含経 巻第三十四 元興寺経 丈部濱足筆
ちゅうあごんきょう がんこうじきょう はせつかべのはまたりひつ
紙本墨書/一巻 奈良時代・天平宝字三年(759)
(第一紙)縦27.5cm 横50.6cm(写真は巻頭部分) 五島美術館蔵
奥書から、本文の筆者、校正や装潢などの担当者が判明する貴重な遺品。天平宝字三年(759)九月十七日付けで、丈部濱足(生歿年未詳)が書写、秦忍國(はたのおしくに)が初校、大隅君足(おおすみのきみたり)が再校、大網廣道(おおあみのひろみち)が三校、装幀を秦東人(はたのあずまひと)が担当したとわかる。他にも、「善光」印が押される同様な経巻が20例ほど知られ、いずれも奈良・元興寺の一切経(いっさいきょう)であったと考えられている。