
重要美術品
大般若波羅蜜多経 巻第百 薬師寺経 魚養経
だいはんにゃはらみたきょう やくしじきょう ぎょようきょう
紙本墨書/一巻 奈良時代・8世紀
縦27.3cm 全長1057.2cm(写真は巻頭部分) 五島美術館蔵
奈良・薬師寺に伝存する33巻の『大般若経』(もとは600巻)の連れで、諸家に100巻ほどが分蔵されるうちの1巻。内題の上に「薬師寺印」の円印、巻首の裏に「薬師寺金堂」の墨印が押され、「薬師寺経」と呼ばれる。また、書写した人物を朝野魚養(生歿年未詳)として「魚養経」ともいう。格調高い筆致が見られ、奈良時代における写経体の典型例として挙げられる。本品は、五島美術館の創立者五島慶太(1882〜1959)の初期の古美術蒐集品。