陶器／一口　南宋時代・13世紀

高7.3cm　口径2.7cm　胴径6.9cm　底径3.0cm　重量87.4g　五島美術館蔵

釉薬の景色から「三日月文琳」とも呼び、文琳（りんご形の茶入）の名品。形姿は、甑際（こしきぎわ　茶入の頸部と肩の境目）が平らで肩に丸味のないタイプ。底部には糸切跡が残る。細かい胎土は赤味があり、非常に薄造りで軽い。釉薬は、褐色の鉄釉と黒色の灰釉の二重掛けとなっている。越前の戦国武将朝倉義景（よしかげ　1533〜73）の所持にちなむ「朝倉文琳」の名もある。銘は、織田信長（1534〜82）が京都・本能寺に寄進したことによる。安永七年（1778）に松平不昧（ふまい　1751〜1818）の所有となった。