
織部舟形手鉢
おりべふながたてばち
陶器/一口 桃山時代・17世紀
総高17.4cm 縦幅16.4cm 横幅25.7cm 五島美術館蔵
「織部焼」は、美濃焼の一種で、現在の岐阜県において、17世紀初頭から連房式登窯で焼成された緑釉主体の施釉陶器。名称は古田織部(1543~1615)にちなむが、織部が「織部焼」の生産に直接関与した事実はない。本品は、長方形の器形を舟に見立てたもの。把手から鉢に伝わるように緑釉を掛け、赤土による太線と鉄釉の細線を組み合わせ、短冊風の文様や、唐草文、梅花文、梅鉢文、鋸歯文などを施す。産地は、岐阜県土岐市泉町久尻にある元屋敷窯(もとやしきよう)と推定。型おこしの際の麻布の跡が、緑釉の部分に見える。