
乾山色絵菊文向付
けんざんいろえきくもんむこうづけ
陶器/五客 江戸時代・18世紀
[五客の内]高4.1cm 径16.3×19.9cm 五島美術館蔵
「乾山焼」は、江戸時代中期に現在の京都市右京区鳴滝泉谷において、尾形乾山(次兄は尾形光琳 1663~1743)がはじめたやきもの。本品は、二条丁子屋町(現在の京都市中京区丁子屋町)において、正徳二年から享保年間(1712~36)にかけて焼造した、八本の白菊をデザインした向付(茶の湯の食事である懐石料理のうち、刺身などを盛る器)。菊花に合わせ型造りで成形し、表全面と裏の両端に白化粧を施す。表は菊花を銹絵で描き、裏面に銹絵と染付で波文を配す。全体に透明釉を掛けて高火度の本焼焼成をした後、黄色や緑の色絵と金彩を施し焼き付けている。底にはブランド名としての「乾山」銘がある。