
重要文化財
五彩透彫水注(金襴手) 景徳鎮窯
ごさいすかしぼりすいちゅう(きんらんで) けいとくちんよう
磁器/一合 明時代・16世紀
高28.2cm 口径5.9cm 底径8.3cm 五島美術館蔵
日本では仙盞瓶(せんさんびん 盛盞瓶とも)と呼ぶ形の水注。名称の由来は不明。扁平な洋梨形の胴部に、細長い注口と把手が付く。蓋は被せ蓋。五彩の上にさらに金彩を施したものを、日本では「金襴手」(織物の名称からの連想)と呼ぶ。胴部には、牡丹孔雀図を透かし彫りした貼り付け文様があり、黄釉に金彩を重ねる。こうした透かし彫りを持つ水注は珍しく、類品は「五彩」(長野・サンリツ服部美術館蔵)、「三彩」(奈良・長谷寺蔵)、「瑠璃釉」(龍文の透かし彫り/トルコ・トプカプ宮殿博物館蔵)、「青花」(ポルトガル・サントス宮殿磁器の間天井装飾とイラン・アルデビル廟)が知られる。