
白磁辰砂蓮花文壺
はくじしんしゃれんかもんつぼ
磁器/一口 朝鮮時代・18〜19世紀
高29.2cm 口径12.9cm 底径13.5cm 五島美術館蔵
「辰砂」とは、天然に産出する硫化水銀(日本画などの紅色の顔料)を指すが、陶磁器では白磁の素地に銅を用いて文様を描き、その上に透明釉を掛けて焼成して鮮紅色を得ることをいう。本品は、器の前後に辰砂で蓮の花を描いた壺。大きな花弁が左右対称に開き、茎には棘状の突起を描く。花の茎と平行に葉と蕾の茎が立ち、左右に分かれ、茎の下には横に伸びる竹の葉のような文様を描き、壺全体を池に見立てたように蓮花をあらわす。産地は不明。韓国国立中央博物館や大阪市立東洋陶磁美術館(旧安宅コレクション)などに同種の壺がある。