磁器／一口　朝鮮時代・18世紀

高29.6cm　口径14.0cm　底径11.8cm　五島美術館蔵

白磁は、純白に精製した磁土に透明釉を掛けて焼成した磁器。韓国では、高麗時代にも青磁とほぼ同時に白磁が作られていたが、中国の元時代末期から明時代初期の白磁の影響により、15世紀以降、硬質の白磁が焼造されるようになる。儒教を尊ぶ朝鮮王朝では、純白の白磁を陶磁生産の根幹とし、京畿道広州に官窯を置く。器高と胴径がほぼ同じ球形の白磁壺は「満月壺」と呼ばれ、朝鮮王朝白磁の粋とされる。本品は、やや小型ではあるが、口縁が立つタイプの壺。柔らかな乳白色の素地の色が美しい。