
重要文化財
迦陵頻伽紋葵花形鏡
かりょうびんがもんきかけいきょう
青銅製/一面 中国・唐時代・8世紀
径29.6cm 重量3706.2g 五島美術館蔵
八花形の青銅鏡。2組の迦陵頻伽(人頭鳥身の、極楽にいる想像上の鳥)と飛天(空を飛ぶ天女)を繊細に描く。向かい合う一対の迦陵頻伽は、大きく羽を広げ、手には三つ葉状の飾りのついた宝珠を捧げ持ち、足は蓮華座の上にのせる。2人の向かい合う飛天は、天衣(てんね)を風になびかせ、万字の幡(ばん 旗)を捧げ持つ。その周りには、蓮華の蕾や葉が連なる。仏や菩薩の像を表さずに仏教の極楽浄土を表す図案は珍しい。精緻な表現で細密に文様を描き込み、類品の中でも群を抜いて華麗。