公益財団法人 五島美術館
国宝

金銅馬具類 宮崎県西都原古墳群出土

こんどうばぐるい みやざきけんさいとばるこふんぐんしゅつど

金銅製/一具 三国(新羅)時代・6世紀

五島美術館蔵

宮崎県西都市にある西都原古墳群は、大小300基以上の古墳があり、5~6世紀にかけて成立した。馬具は、その中の百塚原(ひゃくつかばる)古墳群の一基から出土したというが詳細は不明。鐙(あぶみ)をのぞく鞍金具(くらかなぐ)・鏡板(かがみいた)・杏葉(ぎょうよう)・雲珠(うず)・辻金具(つじかなぐ)・飾金具(かざりかなぐ)からなる一具は、龍文透彫の意匠で統一され、極めて精緻なつくりである。大陸からの舶載品と考えられる。朝鮮半島の三国時代新羅においては、こうした金銅透彫の装飾を持つ馬具類を副葬した古墳が多く見られる。金色に輝く馬具は、儀式の際の飾馬のためのもので、古代の権力の象徴であった。