
重要文化財
沙門地獄草紙断簡(益田家本甲巻) 火象地獄図
しゃもんじごくぞうしだんかん(ますだけぼんこうかん) かぞうじごくず
紙本著色・墨書/一幅 平安時代・12世紀
縦26.2cm 横77.2cm 五島美術館蔵
前世において仏の戒めを守らなかったために堕ちる「沙門(僧侶)地獄」の様子を描いた絵巻の断簡。もとは七段からなり(益田鈍翁〈どんのう 1848〜1938〉旧蔵)、戦後、各段毎に分かれ、諸家が分蔵する。詞書を寂蓮(じゃくれん 1139?〜1202)、絵を土佐(常磐)光長(生歿年未詳)の筆と伝えるが確証はない。本図は、淫欲にふけった僧侶が堕ちる「火象地獄」(炎を吐く象に身を焼かれる地獄)を描く。