
重要文化財
上畳本三十六歌仙絵 紀貫之像
あげだたみぼんさんじゅうろっかせんえ きのつらゆきぞう
紙本著色・墨書/一幅 鎌倉時代・13世紀
縦29.6cm 横50.2cm 五島美術館蔵
三十六歌仙を描いた絵巻の断簡。歌仙(和歌に優れた人)が上畳(貴人専用の畳)に座るところから「上畳本」と呼ぶ。「佐竹本」と並び現存最古の三十六歌仙絵と言われ、10数歌仙分が遺る。書を藤原為家(ためいえ 1198〜1275)、絵を藤原信実(のぶざね 1176?〜1265?)の筆と伝えるが、確証はない。本図は、平安時代の歌人紀貫之(868?〜945?)の束帯姿に、貫之の最終官位、醍醐帝と朱雀帝二代に仕えた経歴、代表歌(『拾遺和歌集』巻第一「春」64番)を書写する。