
重要文化財
去来抄稿本 向井去来自筆
きょらいしょうこうほん むかいきょらいじひつ
紙本墨書/一冊 江戸時代・18世紀
縦25.3cm 横35.3cm 大東急記念文庫蔵
『去来抄』は、関西蕉門の中心的人物であった向井去来(1651~1704)が、師である松尾芭蕉(1644~94)とその門人たちの句評や俳論を記した全四篇の書物。元禄末頃より執筆されたが、去来の死去により未定稿のまま残された。本書は四篇のうちの二篇「先師評」「同門評」の去来自筆草稿本。全体にわたるおびただしい推敲の跡に、去来の苦心の程がしのばれる。俳書『渡鳥集』(去来・卯七共編)の草稿と、不玉宛論書の草稿の反故紙を用いている。