
国宝
史記 孝景本紀第十一 大江家国筆
しき こうけいほんぎ おおえのいえくにひつ
紙本墨書/一巻 平安時代・延久五年(1073)
縦29.2cm 全長259.1cm(図は巻頭部分) 大東急記念文庫蔵
『史記』は、前漢の司馬遷(しばせん)撰述の、全130巻からなる紀伝体(きでんたい)の歴史書。日本へは奈良時代に伝わり、平安時代には博士家の訓点により愛読された。巻第十一「孝景本紀」は漢の第六代景帝の治世部分。五世紀の裵駰が註をつけた「集解本」(しっかいぼん)。本書は、延久五年(1073)に学生大江家国(生歿年未詳)が書写加点したもの。本文にヲコト点、古訓、反切(はんせつ)等が付され、欄外や行間にも註が書き入れられている。『史記』の、書写年の明らかな現存最古本の一として極めて重要。狩谷棭斎蔵として『経籍訪古志』巻三に載る。