
重要文化財
春日若宮影向図(騎獅文殊菩薩像内納入造像関係文書のうち)
かすがわかみやようごうず(きしもんじゅぼさつぞうないのうにゅうぞうぞうかんけいもんじょのうち)
絹本著色・紙本墨書/一巻 鎌倉時代・文永十年(1273)
縦22.0cm 横26.0cm(『金剛般若経』見返絵部分) 大東急記念文庫蔵
康円(こうえん 1207~?)作「騎獅文殊菩薩像」(現東京国立博物館蔵)の胎内に奉納されていた文書の内、文殊菩薩像造立を発願した興福寺の僧、経玄(きょうげん)が、自ら書写した『金剛般若経』の見返し絵として自身の感得した夢の内容を描かせたもの。三笠山を背景に、文殊菩薩を本地仏とする春日若宮の化身たる童子が三人の神人を従え、率川を隔てて経玄と対峙している。仏像胎内に秘められていたために鎌倉当時の鮮やかな色彩が失われていない。