公益財団法人 五島美術館
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芦屋獅子牡丹紋釜

あしやししぼたんもんかま

鉄器/一合 室町時代・15世紀

高21.9cm 口径15.6cm 胴径26.3cm 底径15.4cm 五島美術館蔵

筑前国(福岡県)芦屋の製品。肩に二本の筋と擂座(るいざ)がめぐる。胴部は唐獅子牡丹の意匠。百獣の王・獅子が牡丹の花と戯れている姿を表す。花弁・花芯・蕾・葉を精巧に鋳出した大輪の牡丹は、華の王に相応しく、鋳物師の優れた技を伝える。形は真形(しんなり)。胴の上部に鐶付(かんつき)という耳があり、形は龍を表したといわれる鬼面。永年の使用により、羽はなくなり、底部を補修する。蓋も後世のもの。室町幕府八代将軍足利義政(よしまさ 1436~90)好みの東山御物といわれ、近衛家、小堀遠州(えんしゅう 1579~1647)、遠州の弟子の黒田正円と伝わった。