
重要文化財
久能寺経 法華経法師功徳品 巻第十九
くのうじきょう ほけきょうほっしくどくぼん
紙本墨書/一巻 平安時代・12世紀
縦26.2cm 全長359.1cm(写真は巻頭部分) 五島美術館蔵
『法華経』二十八品に開経(無量義経 むりょうぎきょう)、結経(観普賢経 かんふげんきょう)の二経を加えた30巻のそれぞれに一人ずつ結縁した一品経。鳥羽天皇(1103〜56)、待賢門院璋子(1101~45)、美福門院得子(1117〜60)、令子内親王(1078〜1144)、およびそのゆかりの人々により制作されたと推定。鳥羽天皇の勅願寺である安楽寿院(京都)に納められ、その後、久能寺(現在の静岡・鉄舟寺)に移されたためこの名がある。料紙は、金銀の小切箔・野毛を全体に施したもの。さらに群青や緑青で蓮池、水禽を描くなど善美を尽す。見返しには宝相華唐草文を描くが、損傷は激しい。