
重要文化財
宗峰妙超墨跡 「梅溪」号
しゅうほうみょうちょうぼくせき 「ばいけい」ごう
紙本墨書/一幅 鎌倉時代・14世紀
縦33.6cm 横100.5cm 五島美術館蔵
宗峰妙超(大燈国師 だいとうこくし 1282~1337)は、播磨出身の僧。高峰顕日(こうほうけんにち 1241〜1316)や南浦紹明(なんぽじょうみょう 1235~1308)に師事し、京都・大徳寺を開いた。本幅は、宗智道人と称する女性の弟子のひとりに与えた号を大書した横物。酬恩庵(しゅうおんあん 一休寺)伝来。慶長二十年(1615)、大坂夏の陣の後、加賀の前田利常(としつね 1593〜1658)が帰路に立ち寄った際に本墨跡が目にとまり、何度かの交渉の末、前田家と、寺の続く限り毎年米百石を寄進することを約束して譲られたと伝わる。一方、寺側の記録によると、当時、利常の援助で荒廃していた寺の建物が修復され、その返礼として寄進したものとされている。