
重要美術品
紺紙金銀交書倶舎論 巻第二十三 中尊寺経
こんしきんぎんこうしょくしゃろん ちゅうそんじきょう
紙本金銀字/二巻 平安時代・12世紀
縦25.2cm 全長260.6cm(写真は見返し・巻頭部分) 五島美術館蔵
奥州平泉の藤原清衡(きよひら 1056〜1128)の発願により永久五年(1117)から始められた一切経(いっさいきょう)のひとつ。紺紙に銀の界(かい)を引き、金字の行と銀字の行を交互に一行ずつ書写する。天治三年(1126)、岩手・中尊寺の建立供養に際し奉納されたと推定。もとは5300巻ほどあったが、近世に和歌山・高野山金剛峯寺に4296巻が移されるなど、4500巻程が伝存する。いずれも見返しには金銀泥によって「釈迦説法図」などを配し、表紙には宝相華唐草文を描く。撥型の軸端(じくばな)には鍍金(ときん)を施し、魚子地に四弁の花文を彫金する。